東京大学大学院新領域創成科学研究科 の松井孝典教授率いる研究班が世界で初めてキューバにおけるK-T境界の調査研究に乗り出したのは1998年でのことである。
惑星科学が専門である松井教授がキューバの地層を研究対象にしたのは、巨大隕石衝突によって生じた巨大津波の痕跡を調べるためである。
同教授によれば、キューバのK-T境界には他の地域では見られない特徴がある。
それは粘土層の圧倒的な厚さだ。
通常1cmほどしかないものが、キューバでは180mから500m(通常の実に5万倍の厚さ!)に及ぶというのだ。
しかも地層が横倒しになっており、通常は地中深くに埋もれているK-T境界が地上に露出しているというのである。

 この豊かなK-T境界粘土層がキューバ葉巻の味と香りを生み出しているのではないか?
もしそうだとすれば、良質な葉の産地がキューバ国内でも一定の地域に偏在している理由が説明しやすくなるだろう。
実際、最高級のタバコ葉の産地として名高い西キューバのPinar del Rio地区では厚さ500mを超える世界で最も厚いK-T境界粘土層が露出していることが知られている。
したがって、もしこの仮説(キューバ葉巻のK-T境界衝突仮説と呼ぼう。)が正しいとすれば、これらの微量元素のいずれかがうまいタバコ葉の生育に貢献していることになるだろう。
こんなことがありうるだろうか?

 Ni,Co,As,Seが生体機能に欠かせない必須元素であることは確立されている。
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以上、葉々那 良先生の仮説研究に深く感銘を覚えました。
野村多葉子の巻頭のご挨拶と致します。

平成16年4月5日 野村 多葉子 店主